「保育士・幼稚園の先生なのにピアノが弾けない」
保育士さん・幼稚園の先生なのにピアノが苦手、ピアノが弾けない…という声をよく聞きます。
保育業界ではピアノが必須なのでしょうか?
今回は、ピアノについて、私の体験談を元にお話していきたいと思います!
ピアノが弾けないと資格がとれないの?
まずは、保育士資格・幼稚園教諭の免許をとるために、ピアノは必須かどうかをお答えしたいと思います。
保育士資格をとるには、①卒業と同時に取得できる養成校を卒業する ②保育士試験を受験し、合格する という2つの方法があります。
同じように幼稚園教諭の免許は、養成校を卒業する等の方法があります。
また、特別なとり方ではありますが、[幼保特例制度]という制度を使って、
保育士資格を所有している方は幼稚園教諭免許を、幼稚園教諭免許を取得している方は保育士資格をとることができます。
ピアノが弾けないと資格や免許がとれないかというと、そんなことはありません。
養成校ではピアノの授業があるところが多く、その中での練習は必須になってくるとは思います。
一方保育士試験の実技項目では、音楽・絵画・言語から2つ選ぶため、苦手な方は音楽(ピアノ)を避けることも可能です!
実際、友人もピアノを全く弾けないまま保育士資格を取得しましたし、一緒に働いていた同僚の先生も全くピアノが弾けないという方もいました。
とても簡単に書いてしまいましたが、『ピアノが弾けなくても資格の取得は可能』です!
保育現場では、ピアノが弾けないとだめ?
ピアノが弾けなくても資格や免許の取得が可能なことがわかりました!では、実際に保育現場に出たときに、ピアノのスキルは必須なのでしょうか?
その答えは、『勤務先による』ということになります。
幼稚園教諭の免許を持っている場合、就職先は幼稚園になることが多いと思います。
しかし、保育士資格では様々なところで勤務することができます。その様々な現場によって、ピアノを全く弾けなくても勤務できるところや、
逆にピアノのスキルが必須な職場も存在します。
体験談を元にした例を、いくつか挙げていきたいと思います。
その1 『幼稚園』ピアノのスキル必須
とある幼稚園では、教室に一台ずつアップライトピアノがあり、朝と帰りの歌、今月の歌などはもちろん、
お片付けのときや給食のときなどのタイミングで度々先生がピアノを弾く園でした。
その園では、どの先生もとても上手で、「ピアノが苦手なんです」という先生でも人並み以上に弾けていました。
実際、就職の際の面接のときにピアノのテストがあるようです。
その2 『公立保育園』ピアノが弾ければ望ましいが、弾けなくても大丈夫
ある公立保育園では、部屋に一台ずつアップライトピアノがありました。その中で最低限、朝と帰りの歌、
給食のときにはピアノを使って歌いますが、それ以外は自由でした。得意な先生は今月の歌を始め、様々な曲を歌っていました。
苦手な先生のクラスでは、今月の歌やそのほかの歌はテープでした。でもその分、先生が子どもたちと一緒にめいっぱい
歌うことができていたので、子どもたちもピアノではないことを気にしている様子はありませんでした。
ここの園では発表会などのときは弾ける先生が積極的に弾くことで、弾けない先生をカバーしていましたが、
人間得意なもの、不得意なものがあるという考え方だったので、それぞれが長所を生かして日々保育をしていました。
その3 『私立保育園』弾けなくても大丈夫だが…
とある私立保育園では、ピアノが弾ける先生、弾けない先生がはっきりしていました。入社時に、ピアノが苦手な先生は弾かなくてもいい
という話になっていたので、弾けない先生は「私は弾けないので弾かない」というニュアンスでした。一方で弾ける先生、うまい先生には
全てしわ寄せがきてしまっていました。発表会や卒園式などのときに、有無を言わさず『ピアノ担当』になっているのです。
だからといって別の係の仕事が免除されるわけではなかったので、練習時間も割かれ、ピアノが弾ける先生には負担が大きい園でした。
「ピアノが弾けるって言わなければよかった」という声もあり、改善が必要な園だったと思います。
その4 『託児室』弾けなくても大丈夫
託児室や小規模な園も、保育士の仕事場です。そもそもピアノや鍵盤物がないところで、ピアノのスキルを必要としていませんでした。
その5 『私立幼稚園』少しずつ練習し、いずれはしっかり弾けるようになってほしい。
最後にご紹介するのがとある私立幼稚園の例です。この園は、新人のときは弾けなくても大丈夫だが、毎日少しずつでいいので練習し、
いずれはしっかり弾けるようになってほしいという方針の園でした。
一年間のうちの後半(1月以降)の誕生会のピアノを担当したり、発表会で簡単なものを弾くことで、少しずつ場慣れしていっていました。
このように、園によってもピアノに関する考え方は様々です。
自分が『絶対に弾きたくない』と思うくらい苦手なのか、『少しずつ練習して、弾けるようになってみたい』と思うのかが、就職先の園を選ぶ
鍵になっていくかと思います。
面接の際など、ピアノに関することは積極的に質問してみましょう。
ピアノが弾けると子どもや保護者が喜んでくれることがある
保護者の中では、「あの先生はピアノが上手」「あの先生は弾けないみたい」という話になることがあります。
全く弾けないよりは、弾けた方がいい というような、なんとなくな気持ちではありますが、
弾ける先生の方が人気が高く保護者に喜んでもらえていた部分はありました。
テープで歌うより、生の演奏のほうが教育にいいのではないかという声も聞きました。
子どもたちも、「次はあれ弾いて!」とリクエストをするなど、先生にピアノを弾いてもらうことが大好きです。
また、同じところを何回も繰り返したり、テープやCDを探し手間なくすぐに弾くことができたり、
子どもに合わせて速さを変えられるなど、テープではできないピアノならではのメリットもたくさんあります。
これも体験談ですが、とてもピアノが苦手な先生が、どうしても子どもたちにハッピーバースデーを弾いてあげたくて一生懸命練習したことが
ありました。本番では緊張してしまい、間違えてしまったところもありましたが、子どもたちの心にはしっかり響いたようで、
「いつも、ピアノへたなんだ!って言っていた先生が、弾いてくれた!とっても上手だった!うれしかった!」と大喜びしていました。
嫌いじゃなければ、少しずつ練習してみてほしい
もしもあなたが、ピアノを弾くのが嫌いじゃなかったら、少しずつ練習してぜひ弾けるようになってみてほしいというのが私の気持ちです!
もちろん、それが負担になり、保育自体が嫌いになってしまっては元も子もありません。
なのでそうならないよう、空いている時間、暇な時間、思い立ったとき、そんなときでいいので少しだけピアノを触ってみてください。
毎日じゃなくても大丈夫。本物のピアノじゃなくて、キーボードで十分です!
たった1曲でも弾けると、自信に繋がっていくと思います!
両手が難しかったら、片手だけでもいいんです。それでも、大好きな先生が弾くピアノは、子どもたちにとってとても嬉しいものなのです。
それでもどうしても苦手、嫌いなのであれば、ピアノを使わない、自分に合った園を探すのもいいと思います!
ピアノが弾ける、弾けないにかかわらず、毎日楽しく保育ができる園が見つかるといいですね!
最後まで読んで下さってありがとうございました!
