保育事務サポート Good weather(グッドウェザー)

「保育士 仕事内容」子どもと一緒にお昼寝できるんでしょ?

 私が保育士として働いているときに、別の仕事についている友達に言われたことがあります。
「保育士さんって子どもと一緒にお昼寝できるんでしょ?いいなー!仕事中にお昼寝できて!」
お昼ご飯の後、子どもをトントンしながら寝かしつけをしますよね。中には添い寝をして欲しがる甘えん坊さんもいます。
そんな可愛い子どもたちと一緒に、先生もゆっくりお昼寝………するわけないでしょ!!!!
その後、友達は言いました。
「(子どもと)遊んでるだけでお金がもらえていいよね」
……!! 本当にそうなのでしょうか?今日は保育士の仕事内容についてお話したいと思います!

子どもと遊んでお昼寝をして、お給料ももらえちゃう!?

 いいねー楽で!なんて言われたら、保育士が普段どんな仕事をしているか、熱く語ってしまいそうです(笑)
保育士は、実際仕事中に子どもと遊んではいますが、ただ楽しく遊んでいるだけではないのです!

①とにかく、見る人数が多い!

 室内や戸外で子どもと一緒に遊ぶ際、保育士さんは先生1人につき子どもを何人見ているのでしょうか。
配置基準を見てみましょう。
0歳児・・・子ども3人につき先生1人
1、2歳児・・・子ども6人につき先生1人
3歳・・・子ども20人につき先生1人
4歳以上・・・子ども30人につき先生1人

このように、先生は1人でとても多くの子どもたちを見なければいけないのです。
園によっても異なると思いますが、配置基準の人数ピッタリで保育をしている園も少なくありません。

極端な例になってしまいますが、まだ歩くことのできない0歳の赤ちゃん。
生後3ヶ月くらいのまだ動き回ることがない赤ちゃんをお部屋の中で3人見るのであれば可能に感じますが、
ハイハイやつかまり立ち、既に歩き出している子3人を1人で見るのはとても大変です。

また、早生まれで3月に1歳になったばかりのまだ歩けない子でも、4月に入園してきたら6人を1人で見なければいけません。
(実際にはそんなことはありませんが)まだ歩けない子6人を1人でお散歩に連れて行くことを想像すると、大変さがわかるのではないでしょうか。
平気で公園から出て行こうとする子もいますし、砂を投げてしまったり、葉っぱを食べようとする子もいます。
3歳、4歳になると、今度は1人で20~30人を見なければいけなくなります。
『全員で滑り台』『全員でおにごっこ』『全員でぶらんこ』というわけにはいかないので、
正直なところ、全員に対して一瞬も目を離さないということは不可能です…。
さっきまで見ていたのに、目を離したたった一瞬で怪我をしてしまうこともあります。

子どもたちとめいっぱい一緒に遊んでいる先生も、遊びながらも常に360度見渡し、怪我や事故がないように気を配っています!

②常に計画を立て、子どもの生活や発達のことを考えている

 保育園では、ただ遊んでいるわけではありません。
「今日は何しようかなー。そうだ!久しぶりにお絵描きしよう!」と先生の思い付きで毎日を過ごしているわけではなく、
前もって立てておいた計画である『日案』に沿って保育をしています。更には、その日案は『週案』の中にあり、週案は『月案』の中にあります。
そして、全ては年度当初に立てた『年間計画』に基づいて行われているのです。

【保育所保育指針】にも
第4章 保育の計画及び評価保育所は第1章(総括)に示された保育の目標を達成するために、これを具体化した「指導計画」を作成しなければならない。
保育過程および指導計画はすべての子どもが、入所している間、安定した生活を送り、充実した活動ができるように、
柔軟で発展的なものとし、また一貫性のあるものとなるよう配慮することが重要である。

と記載のある通り、先生方は日々試行錯誤しながら、子どもの発達を見据えて保育をしているのです。

③お昼寝中が勝負!

 それでもお昼寝中は一緒にごろごろしたり、のんびりできるんでしょ?と言われることもありますが、いえいえ、それは違います!
私たち保育士はお昼寝中がチャンスであり、勝負なんです。お昼寝中にはどんなことをしているかご紹介します!
・休憩を回す 人数に余裕がなく、なかなか活動中には休憩に行けません。子どもたちがお昼寝をしている間に順番に休憩に行きます。
・掃除 子どもが寝ている間に、できる部分の掃除をします。最近はコロナウイルスの件もあるので、1つ1つおもちゃの消毒をしたり、
 給食の後片付け、トイレ掃除なども行います。
・ミーティング 子どもたちが寝ている間にミーティングをする園もあります。怪我などの様子、病気の様子を伝えたり、 
 遅番の先生に伝達事項を伝えたり、園長会など会議の伝達事項を伝えたりします。
・連絡ノートの記入 家庭と園のやりとりをする連絡ノートの記入もこの時間に行います。「今日はこんなことをしました!
 〇〇くんはこんな様子で楽しそうでした!」などといった一人一人の様子を記入します。この時間を逃すと書く時間がありません(笑)

急いでやることが終わったら、自分のお仕事をします。ここでいかに仕事をできるかで、残業の有無や持ち帰り仕事の有無が決まります…
・製作の準備 画用紙を人数分切ったり、紙コップやモールを用意したりと製作で使うものを準備します。
・壁面製作 今月の壁面を作ります。季節に合ったもので、毎月変更するので大変です!
・手紙作り 園だよりや行事関係の手紙を作ります。主に配布日が近いものから作っていきます。
・個別計画など 1人1人の個別計画を作成、記録をします。
この他にもいろいろありますが、大切なのはこの作業をしながらも、子どもたちの呼吸確認をしている。ということです。
寝返りをうってうつ伏せになってしまっていないか、しっかり呼吸をしているかどうかを常に気を付けながら見守っています。
私が働いていた園では、0歳児は5分おき、それ以上は10分おきに、子ども1人1人の側にいき、胸のふくらみ方を見ながら鼻に手をあてて呼吸の確認
をして、確認表にチェックをしていました。毎回のチェックの5分くらいはかかってしまうため、他の作業をしながら行うことはとても大変でしたが
事故を防ぐために徹底していました。

④子どもの体調の変化に気付けるようにしている

 子どもは急に熱を出すことが多いです。午前中とても元気だったのに、食欲がないな…と思ったらお昼寝中に熱が出ている!ということも。
普段の子どもたちの様子をしっかり覚えていることで、「いつもより元気がない」「食欲がない」「眠そうにしている気がする」「イライラしている」
など、普段と違った変化に気付くことができるのです。1人で20人、30人見ているときもその変化に気づかなくてはいけないので
大変ではありますが、先生方は子どもたちの体調にはとくに気を付けて見守っています。

⑤保護者対応も大変!

 見ている人数が多いからといって、見ている子と見ていない子がいるというわけにはいきません。
ご家庭から大切なお子様を預かっている以上、責任を持って見守っています。
ほとんどのご家庭は、保護者の方がとても優しく、「先生、いつもありがとうございます!」と言ってくれていたり、
「先生のおかげで仕事ができています」と言ってくれるなど、素敵な保護者様が多く、保育士と言う仕事にやりがいを感じることができます。
しかし、中には理不尽なクレームをされる保護者の方もいらっしゃいます。そんなときにも、気持ちに寄り添いながら
誠心誠意対応しなければいけません。稀なケースではありますが、保護者対応が大変だと感じることもあるのです。

保育士の仕事はたくさんある!!

 いかがでしたでしょうか?保育士の仕事は一日を通してたくさんあり、命を預かっているため、一息つくことも難しかったりします。
(なのにお給料やボーナスが安いのです・・・涙)
ですので、「遊んでお金がもらえていいな!」「一緒にお昼寝できるんでしょ?」と言われると、ちょっとまった!!( ゚Д゚)!!と言いたくなります(笑)
それでも、可愛い子どもたちと一緒に過ごせること、子どもたちの成長を保護者の方々と一緒にそばで見守っていけることはとても幸せなことであり
やりがいのある仕事といえるでしょう。

この記事を通じて、ほんの少しでも、保育士さんの仕事を知っていただけたら幸いです!
お読みいただきありがとうございました!

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